« カトリーナ大惨事は人災?! | トップページ | 「ここはイラクやサマリアなんかじゃない。ここは祖国なんだ。」 »

2005.09.04

イラクの復興が進まない理由。

 本来ならチラシの裏程度なんだが、イラクの復興が進まない理由を考えてみたからメモ。

 人類の歴史上(おそらく)、米国の占領政策が成功したのは日本*1しかない。さて日本がなぜ2個の原爆まで落とされた憎たらしい米国に服従してマッカーサーにファンレター殺到の事態を容認したのか。これは世界史上の最大の謎であるけれども、日本が島国で単一民族な政治統率を実現していたことが大きいと思う。むろん単一民族というのは幻想でしかないが、日本にいた朝鮮の人達は虐げられ政治的には無力だった。

 島国に単一民族的というのは占領しやすい。明治維新前夜の幕末にたった4隻の黒船で夜も眠れなくなったのは道理である。もう一つ明治初期に廃仏稀釈をやって国家として宗教を事実上捨てたもんだから、八百万の神、鰯の頭にも信心と信教の自由を国民に与えていた(たぶん)。

 敗戦後、国家神道現人神っつうのが幻想であることをとうに見抜いていた物質的に困窮していた国民は程度の差こそあれ放心状態で、日本のリーダシップに圧倒的な不信感に打ちひしがれている。そのとき米国の圧倒的な物質的豊かさ・自由主義に触れたときに、一も二もなく服従してしまったのではと想像する。

 戦後60年たってなお、敗戦・占領政策・靖国問題そして中国、韓国等アジア諸国の関係など全然解決していないように見えるのは、そこにある蠢く利権の攻防に決着がついていないからだ、というのは言い過ぎか。要は言論の自由というアメをあたえて政治家は思想的に整理をつける気がないのである。ていうか、蠢く利権がほぼなくなったときにこそ思想的に整理をつける条件が整うというべきか。

 さて、イラクをはじめとする中東諸国はいうまでもなく陸続きである。そこに多様な民族が事実上自由に行き来できる。そもそも国境だって英米が勝手に引いたもの。米国がポスト・イラク戦争を考えるとき日本の占領政策を手引きにしたかどうかはわからないが、何せ、人類史上米国が占領政策を成功させた事例は日本だけなのだ。少なくとも参考にしたんじゃないだろうか。

 冷戦時代に中東を舞台に代理戦争をおっぱじめてから、かれこれ30〜40年しか経っていない。一世代も経ってないのだ。ていうか国というのは安定してこそ国民向けの政策が展開できるというのに戦争に継ぐ戦争で、宗教しか頼るものなんてないという気持ちを誰も責められない。

 米国が決定的なミスを犯したと僕が思うのは、「悪の枢軸」の発言にあるように、国、もしくは国家元首を攻撃対象にしたことだと思う。テロとの戦いは難しいとあっさり認めたプーチンの方が正直だ。 イラクにいるシーア派、クルド人、それに少数派のスンニ派、それぞれに利益とそれぞれに主張があるとおもうが、少なくとも米国だって連邦制をひいているんだから、わかりそうなものなのに。

 アフガニスタンだってカブール近辺しか治安が保たれていないことは、日本人2人の尊い犠牲で明らかになった。アフガンだって民族文化は混じり合っている。

 もう一度いいたい。日本は唯一のケースだ。他の陸続きの国家・多様な民族国家は占領政策は今世紀中は成功しない。

*1ハワイもあるにはあるけど。

追記:
イラク戦争を支持しない人が増えている(気がつくのが遅いって)。
シンディ・シーハンの運動を支持している人の分布。MoveOn.orgより。

banner_04

 

|

« カトリーナ大惨事は人災?! | トップページ | 「ここはイラクやサマリアなんかじゃない。ここは祖国なんだ。」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/19542/5779868

この記事へのトラックバック一覧です: イラクの復興が進まない理由。:

« カトリーナ大惨事は人災?! | トップページ | 「ここはイラクやサマリアなんかじゃない。ここは祖国なんだ。」 »