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2005.09.12

今回の衆院選が北海道に残すものは?

 今回の投票率は道内の投票率は71・29%(前回2003年衆院選は59%台)と久々の70%台。
 で、自民圧勝(民主敗退)が北海道にとって何を意味するか、考えてみた。

■新党大地鈴木宗男の当選が意味するところ。
 地方部を精力的にまわるばかりか、札幌市大通に事務所を構えるなど都市部に力を入れて、比例区で433,938票(前回2004参院選では485,382票・但し議員名)とった。
 僕の予想に反して、今朝のとくダネのインタビューでは、「自民党との合流はありえるかの問い」にきっぱり「ない」と言わなかった。鈴木氏の真意は無所属議員、自民党の造反議員との連携をかんがえているのだろう。いずれにせよ控訴中の身であることを考えると時間がないから、突破口を見つけて、ある意味なりふりかまわずマニフェストの実現に向けて走り出すだろう。そのひょっとしたら短くなるかも知れない政治生命でなにをやるかが問題。
 『ロシア、アメリカと北海道の戦略的北方圏構想を進め、ロシアに対しては現実的な北方四島返還論に基づき、日ロ平和条約交渉を加速させる。』これは鈴木氏のライフワーク(ex.ムネオハウス)と言っていい。小泉・プーチン会談が成立すれば進展する望みはわずかながらある。しかし来年9月で総理総裁を辞めると言っているから、成立は微妙な情勢。
 『アイヌ民族の先住民としての権利を確立し、教育支援や生活基盤の充実を進め、北海道を国際交流、民族共生、多様な文化の拠点とする。』という公約はすでに北海道局のイオル構想で施策に位置づけられているから、実現に向けて着々と進むだろう(面倒はいろいろあるだろうけど)。アイヌ民族の問題は実は若い人を中心に関心が高いから、鈴木氏はうまく取り込んだと言えそう。もしくはサハリンアイヌを取り込んで対ロ外交と結びつけるつもりか。
 『北海道を「七大基地」と位置付け、政策展開する。安心・安全な北海道ブランドを確立する「食料基地」、サハリンとの石油・天然ガスパイプラインを生かす「エネルギー基地」、専門知識や技術を磨く北海道独自の教育システムの「人材育成基地」、世界自然遺産・知床などを生かした「観光基地」を形成する。子供たちのために環境を整備する「スポーツ基地」、資源循環型社会を目指してリサイクルの研究などを支援する「環境基地」、バリアフリー化など高齢者にやさしいまちづくりの「福祉基地」構想を進める。』これは政策としてはスジがいいけど既存の道庁の政策を焼き直した感があるし、公約とするのはどうかというシロモノ。
 
■自民7議席、民主11議席の意味するところ。
 前回は自民8、民主11、公明1、今回は自民7、民主11、公明1、大地1。終わってみれば、自民党の議席が大地に流れた格好。自公327(前回衆院選277)、民主113(同177)を考えると、与党9/327、民主11/113で、北海道の声が国政の場に届くかどうか、が要点。

 おそらく自民党圧勝の背景にある世論の大勢は「都市住民はこれ以上再配分する気持ちはないよ。」だったろう。言い換えると「特定の既得権益団体に好きにさせてたまるものか」という民意の結果を踏まえると、北海道を特別扱いするという北海道外の世論はほぼなくなったとみていいのではないか。厳しいけど。

 今回、北海道の民主党は官公労などの労組・農民連盟あたりの組織票で辛勝したといっていい。無党派層は自民党に流れた格好になったのか。そこで札幌市の選挙区を見てみる。自民は1議席(石崎)、民主(横路、三井、鉢呂)は3議席、得票数で見ると、自民は494,132(前回衆院選368,577)票、民主は506,389(同466,841)票と民主が12,257とギリギリで勝っている。

 ところが得票率の伸び率をみると自民1.34倍民主0.92倍と潜在的には自民党が大きく伸ばした。まぁもともと北海道は全体的にみると民主(旧社会党)王国と言われてきたが、北海道人口の1/3を占める札幌市はその他の地方部と価値観が微妙に違ってきたということなのかも知れない。
 
■逢坂誠二初当選の意味するところ。
 全国では惨敗の民主党北海道ブロック比例名簿第一位の逢坂誠二が初当選した。始まる前から当確だったけど、今回の民主惨敗が痛そう。ていうか前回の民主躍進の時、立って欲しかった。

 ま、いずれにせよ『北海道庁と市町村の応援団』として、地方分権を全面に押し出しそうだ。でも具体的な政策は未知数だ。今回の選挙戦ではいまいち公約が伝わらなかったのは公示前、数日で民主党のサプライズにのって受け身で立候補したから。この辺は自身の政策と党のマニフェストのすりあわせがまだ整っていないとみる。ニセコ町長の後任候補選びは難航しそうで気の毒。

 民主党がどうあがいたって「改革を止める」政党と有権者に受け取られてしまったのは岡田前党首の戦略ミスだろう。ここが残念。衆院国会決議の時に継続審議・会期延長の戦略をとればよかったのにといってももう遅いか。
 
■2005衆院選の北海道的まとめ 
 北海道はもともと民主王国で地方分権を早くから押し出していたけど、これがいつのまにか社会主義的な「裕福な都市から取って地方に均等に配分する政策」のレトリックに化けていたのに不況下もしくは勝ち組にすがりたい大都市の住民が気づいちゃったんではないか。

 その点は新党大地の鈴木氏の政策とほぼ一致する。だから北海道議会は自民が与党だけど、国政は民衆有利というねじれというか、地方にとって対して変わらない政党になってしまったのだ。

 しかも北海道の民主党は組織票に頼らざるを得ず、その既得権益層は、相も変わらずという官公庁の労組に世襲農民だから、無党派層にそっぽ向かれた。
 小泉自民党が親北朝鮮派・親中国派・親郵政派・親医師会派などなど(主に旧経世会・橋本派)をバッタバッタとなぎ倒して、文字通り自民党をぶっ壊したんだから(ついでに社民党もぶっ壊した)、改革独り占めで自民圧勝が本当のところかもしれない。
 マスゴミのいう小泉劇場に有権者も騙されっちゃったと言うのは、読みが浅い。郵政民営化ではなく過去4年間の実績がものをいっちゃたのだ。

 さあ、第2幕は、解党的出直しの民主党の動きに注目だな。

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コメント

akillerさん、こんばんは。20日ほど前にコメントとTBをもらいながら、多忙にかまかけ、そのままにしていました。

なんで北海道では民主の議席が多かったのでしょうね。よく分からないけれど、我流の分析(?)を書いたので、TBしました。

投稿: 高田昌幸 | 2005.09.20 02:37

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総選挙が終わって、ちょうど1週間になる。選挙期間中は札幌の本社に呼び戻され、3週間近く東京を不在にしていた。戻ってみたら、すっかり秋で、しかも今日は秋の満月だ。中空の月がひときわ綺麗で、銭湯の帰り、しばらく見とれていた。 月月に月みる月は多けれど 月見る月はこの月の月 という、まさにその感じである。私が住んでいるのは新宿区だが、このへんではコオロギが盛んに鳴いていて、無味乾燥な感じは全くしないのだ。 選挙からだいぶ日数が過ぎたこともあって、選挙について書くのは少し気が引けるが、◆木... [続きを読む]

受信: 2005.09.20 02:33

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