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2005.06.14

脳天気

 どうもタケノコ族みたいなレディース夜露死苦みたいな雰囲気で集団で宗教みたいに踊って何楽しいのかなとおもってなじめなかったYOSAKOIだが、知っている(というよりお世話になったというのが正解かな)チームが出ているので土曜日に呑みに行きがてら見に行った。

 チームの名は「脳天気」。

 なにを隠そう中村記念病院の医師・看護士・研修生からなる総勢90余名のチームだ。今年でたしか8年連続で出ているベテランだ。
 しかも山車の上からかけ(?)をかけるのが僕の執刀医の先生とくれば、行かなきゃなるまい。
 「脳天気」さながら賞を狙うわけでもなく、楽しければそれでいい、それが一番というような印象。

 それにしても「脳天気」。「脳」が「天気」であることによって、救われる人は多い。頭が悪いという意味ではない。単に頭が悪いという点で「脳」が悪いというのではなく、余計なことは考えない、その限りにおいて健康的なこと、この上ない。

 「脳」は言うまでもなく、身体の制御中枢であり、わずかに出血しただけで勢い元に戻ることはない。でも「人間の脳はおおかた容積の70%しか実際に使用していない」とNIGHT HEADのタイトルの科白どおり、脳機能障害はある程度だったら別の回路のような部分が働いて、元と変わりのない生活を送れるだろうことを実践的に僕は知っている。だって脳が普段100%の働きだったらそれこそ出血したら一巻の終わりになってしまう。

 腎臓も2つあるし胃の大部分を切除したのに生きている人も大勢いる。これも一種のリダンダンシー(冗長性)といえる。

 最近「脳」を鍛えるなどドリル形式の本が大流行だけども、こうして黙々とパソコンに向かっていることは「脳」を鍛えるのか、というとその効果はある程度、限定的なのかも知れない。

 鉛筆でかくこととパソコンでタイピングすることとどっちが脳を鍛えることになるのか。僕はわからないけれど、昔某国家試験の記述問題で午前午後の7時間で10,000字余り鉛筆でかいた時には、腕の力もさることながら、心底「脳」が疲れた。
 
 でも頭が痛いというものではなく、脳がこれ以上の興奮を受け入れない感じだった。紙によどみなく書くという行為は、直線的な行為で、消しゴムはあるが、たいてい後戻りできない。

 おまけに某国家試験は用紙がB5で、左上がホチキスで綴じられており、1枚目を書くと裏返して、上下逆に書かなければいけないものだから、勢い余って1枚目をめくって3枚目に書き始めて途中までいって気づいたとき、試験の敗北は決定的になった。4回チャレンジして受かったけど。そんなことはどうでもいいが、漢字の記憶力も含めて紙に書くという行為は、見なおされてもいい。試験はやめて欲しいけど。

 そんなことを右手のリハビリの時思い出した。開頭手術して血腫をとったとき右手が上がって喜んだのもつかの間、右手の握力が全然ないのに驚いた。その時初めて筋力がその力を発揮するのには脳がきちんと働かないといけないことを実感させられた。書くことは単純なものをつかむ筋力もきたえるし、言葉を思い出す記憶力の鍛錬、としての効果がそうとうあった。

 毎日のリハビリで昨日より今日、今日より明日、1日1日良くなっているのを目の当たりにしたとき、「脳」で何が起こっているのか、感じたことを言うと、右手を使う運動野の別系統の回路がつながる過程が次第に強固になっていったんだと思う。それにしても2カ月まえまで右手の握力が40kgソコソコだったものが脳にわずかばかり出血して(32cc)、幼稚園児なみになるってホント不思議だ。

 失語症はもっと不思議だ。もう僕は正確に言うと失語症ではない。若干しゃべるのが遅い程度だ、と友達はいう、というか初対面の人はわからないと思う。

 タイピングとの関係で言うと、正直いって、まだ入力スピードは入院前の80%そこそこだ。実際、回復スピードがおしゃべりすることとリニアなのである。実際、しゃべるスピード、単語を選ぶ早さ、が70%と僕は認知している。言いたいことの70%しか伝えられない。会話は後戻りできないから、言いたいことを考えて、さて言おうと思うと、もう話題が移っている。

 紙に書く方は60%そこそこかなぁ。普段の生活で書かなくなったということが大きい。書くことと言葉でしゃべることは似ているようで全く違う。失語症の初期でメールは打てたけど、同じ事をシャベリで伝えようとすると正直できなかったもんね。
 
 失語症のリハビリは1に会話、2に音読、3は紙に書くこと、もしくはパソコンを使って書くことだ。実際に僕がやったことの1番と言えば、パソコンを使ってメールや日記を書くことだった。それは仕事に早く復帰するためであるのと、コミュニケーション欲求のなせる技だったと思う。
 パソコンがなかった時代ならどうしただろうかと怖くなるぐらい。

 さて、しゃべりが脳を鍛える効果は「脳科学」でも次第に解明されているらしい。

 ジェンダーフリーを標榜している人に怒られるかも知れないが、女はおしゃべりなゆえにいつまでも元気でいられるのだろう。いや男でもいるなそういえば。「明石家さんま」もおしゃべりだからこそ、脳が活性化されて元気なのだろう。前にも書いたが、お笑い芸人や落語家は本当に尊敬する。

 だから、今一番面白いTV番組といえば「タイガー・アンド・ドラゴン」。「エンタの神様」もちょっと面白い。逆にお笑いタレントのバラエティは何が楽しいのか、わからない。

 「脳天気」チームも踊ることは間違いなく脳の活性化につながるという理論を背景にして参加していることだけは間違いない。インプット・アウトプットがなければ脳は活性化されないのだ。 
banner_04
↓これ、僕もやりました。

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コメント

HTAさんこんにちは。
脊髄反射してエントリ書いちゃいました。
暇があったらお読み下さい。

>多々あり、今の健康な自分が信じられないくらい。

その記憶力と心身の健康の関連については、謎だらけですね。これについても友達の実例で思うところがありますが、まだ整理ついていないので、別の機会に。

>社会復帰後、このような伝達異常は起きていません。
>今後も自堕落にならないよう、私は働き続けねばなりません。

そう固くならなくとも。人間長く生きてると忘れたいことは多すぎる位あるでょ。

PS
 「夷」のサイトでお写真等拝見しました。
 東京に来られる時は是非ご一報くださいませ。
 お会いできることを楽しみにしております。

写真、見たの?恥ずかしい。だってHTAさんのお姿、知らないんです。じゃ、写真公開スンなって(一人突っ込み)

投稿: akiller | 2005.06.17 17:59

実は自分自身、脳の機能低下を感じたことがあります。

それは仕事をリタイヤして専業主婦を4年ほど続けたある日のこと。
専業主婦といっても子供もいず、ただただ喰っちゃ寝の自堕落な日々。
脳機能はおろか、身体機能も著しく低下し、廃人の一歩手前でした。
そんな日々からの脱却をもくろみ、2000年問題という
神からの贈り物に気づいて職場復帰したのが1999年のこと。
あれから6年。20代後半辺りのバリバリな感じはもう皆無ですが、
なんとか廃人にはなっていません。
(人間、働かないとダメです。私のような自堕落なやつは特に。)

さて、廃人一歩手前の脳機能の低下を実感した出来事ですが。。。
それは、誰でもある「のどもとまで出てるんだけどなぁ」の
結果情報の伝達速度の低下でした。

具体的に説明すると
 1.TVのCMに良く知ってる女優が出ていた。
 2.彼女のことは好きなので顔を見てすぐわかったのだが
   名前がどうしても出てこない。
 3.名前を思い出すべく、彼女のかつての出演ドラマや
   他の出演CMなどを思い浮かべる。
 4.ここでさらにイメージを沸かせやすくするため、
   女優を岩下志麻と仮定しよう。(実際そうだったけど)
 5.ちょっと前の某有名会社の炊飯器のCMで
   この女優の苗字を連呼するものがあったのをご存知か。
   (ま、あったのよ)
 6.5のCMを思い出した結果既に名前も思い出しているのが、
   なぜかそれが伝達されてこない。
 7.すっかり考えるのをやめ、まったく違うことを始めて
   しばらくしてから、突然「岩下志麻!」と頭にひらめく。

伝達速度が正常だったときは、6の時点で「岩下志麻だ!」と
なっていたわけで、明らかに何らかの機能が低下していると
実感した。いわゆる、「寝すぎ」。何もせず、寝てばかりいた。
あの時、ちょっと恥ずかしくていえないような身体機能の低下も
多々あり、今の健康な自分が信じられないくらい。

社会復帰後、このような伝達異常は起きていません。
今後も自堕落にならないよう、私は働き続けねばなりません。

PS
 「夷」のサイトでお写真等拝見しました。
 東京に来られる時は是非ご一報くださいませ。
 お会いできることを楽しみにしております。

投稿: HTA | 2005.06.17 16:10

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