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2005.06.20

打たせて取るというのはいかがか?

 米国産牛肉の輸入再開問題は混迷を極めているが、ここに来て輸入開始反対の世論がどっちかというともりあがっている。

 BSE発生の原因は食品安全委員会の公式発表では、肉骨粉とされてきたが、使用禁止後に生まれた牛もBSEにかかったことなどから、牛のタンパク質とか油脂入りの代用乳が疑われるようになってきた。

 代用乳は主にオランダ産の動物性油脂が使われ、報道発表によれば、主に全農が大株主(70%)の(株)科学飼料研究所で販売していた。現在同社では生産ラインをこっそり変え、同種の代用乳を販売していないらしい。

 牛の骨や肉が入った飼料をやれば、BSEの発症リスクが増すのなら、牛の脂が入った代用乳が危険ということは、素人目にもわかる。
 
 一方の米国産牛肉はどれだけ安全性がクリアになったかというと、こちらも心許ない。米国でBSE発生が報じられたときはカナダから輸入した子牛だったが、牛の生体取引が国境を越えて行われている実態が明らかになっている。ちなみに米国は牛の生体取引においてはカナダに大きく依存しており、02年に170万頭を輸入していて、完全に輸入超過である。現在はカナダからの輸入が禁止されている。

 つうかカナダ、メキシコとNAFTAを組んでるから食の安全面でいうと訳わかんないことになっていることは想像に難くない。米国は月齢20カ月とか15カ月とか言っているが、主にカナダから輸入した子牛を肉にして売っているから、安全性を立証するコストを払うのがいやなんだろう。ちなみに、米国やカナダにおいては、代用乳を法律で禁じていないし。

 もはや国内・海外、誰を信じていいのかわからん状況であるから、一番科学的(?)な全頭検査を主張する人の気持ちもわからないでもない。といったって全頭検査は都道府県が担当するから助成金もらえれば、今後も続けるだろうし、最終的には政府が輸出再開を決めるんだろうから、最後は条件闘争になることはやむを得ない。無理を通せば道理引っ込むのは世の常だが、どっこい、イオンも仮に輸入再開しても米国産牛肉は店頭に置かないと言っているし、トレーサビリティ導入は間違いなく促進されたし、最終的には消費者が食うか食わないかきめることだ。

 たぶん今の状況では以前の米国産牛肉が入ってきてそこいらに安い焼肉店やら牛タンの店があふれるという状況に回復することはたぶんないだろう。不買運動をやるってやつもいるし。

 おもえば米国が未曾有の貿易赤字に見舞われた際に、日本の半導体とか自動車とかをスケープゴートにして、牛肉・オレンジの輸入自由化を迫ったんだっけ。余談だが、自動車にしてもやたらガソリンを喰うSUVをじゃんじゃん作り続け、消費者の選好に耳を傾けず、結果原油が高騰して大量の在庫を抱えるとこなんか、何処のメーカーとは言わないが、ホント失敗に学習してないなあと思う。

 だいたい輸入赤字は基軸通貨をもった国の宿命という、そこのところの理解に欠けているんじゃないかと思うんだが。大体アメリカの純粋な輸出品といったら農畜産物と半導体と自動車しかないじゃないか。畜産物だってカナダやメキシコの貿易赤字を対日本の貿易黒字で埋めているのが現状だ。

 以前のエントリーにある、BSE牛が市場に出回るリスクの低減方策を書き換えなきゃならない。
牛骨粉の輸入禁止×代用乳の使用禁止×検査による排除×特定危険部位の適性な除去
 するってーと、代用乳によって育てられた牛は国内産であれ輸入品であれ、最終的には市場にでまわるのを防ぐことが大事で、あとは市場(消費者)にまかせたら、と思う。
 一部の人が言っている食に関するゼロリスクを要求する症候群は、最終的には国内の農業者が疲弊するか既得権益層を富ませる結果しか生まないと僕は思う。

参考資料:
農林中金総合研究所


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