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2005.06.27

丸井・伊勢丹業務提携に思うこと。(2)

 (1)では、専門外にもかかわらず百貨店のビジネスモデルについて述べてきた。
 要は買い物客に比べて、売り場の店員が商品知識・サービスノウハウが豊富であって欲しいという話だ。
安売りは得意なところにまかせておいて、商品を買うんじゃなくて満足感を買うという顧客層を大事にして欲しいと言うことなのだ。

 ついでに、北海道の都市の中の地元百貨店の位置づけといった話をしてみたい。ヨタ話になるかも知れないが。

 ジェーン・ジェイコブスの話ばっかり持ち出して悪いが、こういう事を言ってるのが彼女しかいないので我慢して欲しいのだが、「アメリカ大都市の死と生」の中で、当時アメリカの諸都市で流行っていた再開発を批判して、都市の活力を増す4大原則を述べた。

1.地区は二つ以上の機能を果たすのが望ましいこと。(つまり単機能になるゾーニングはしない)
2.道は狭く、折れ曲がっていて、一つ一つのブロックが短いこと。(幅が広く、まっすぐな道路はつくるべきでない)
3.建てられた年代が違う建物が混じり合っていること。(古い建物を壊さないで残す)
4.人口密度が十分に高い状態にすること。

 古くて汚いと思われる建物を再開発によって撤去すると地代の上昇で個人の商店は逃げ出してしまい、結局大小多様なサービス主体を失ってしまい画一的な用途で活力を失うだろうという。
 それにしても札幌は別としてうまくいっていない都市はこの4原則のうち少なくとも3原則は守り切れていない。

 ところで、僕は5つめに、ここに地元大小資本を残すことと付け加えたい。西武グループ・ダイエーグループの凋落・撤退に学ぶべきは、大企業におんぶにだっこすると、企業が好成績を収めている間はいいが、一旦落ち目になって、経営者が変わるとけんもほろろになってしまうことである。いままで利用してくれた地元民に愛情のひとかけらもない。他にも札幌ではそごう・長崎屋で痛い目に遭っている。今はイオンにやられっぱなしである。

 地元資本がなくなったら、企業は勘定表と本社の意向しか見なくなって地域に根付く意識が希薄になるとおもうのだが。その最たるものが外資系金融機関さ。
 そんな理由で他に百貨店のない釧路店、苫小牧店、室蘭店、小樽店はできれば廃止して欲しくない。苫小牧は別として他は全部都心商店街と立地・運命とも一体的だった。

 各市の行政当局ができることといえば、市民に是非を問うて、法人住民税・固定資産税関係の支払い免除くらいだろうか。立地するときは諸手で迎えたのだろうからそれ位できないわけはないんだろうが。他の企業もあるとの理由で悪平等主義に陥らずリーダーシップを発揮して欲しいものだ。

 ところで、無節操に大型店が出店する影響を最小限にとどめる方策はないものか。一つの答えがドイツの都市計画にある。詳しくは説明しないけれど、要は行政当局が市民の消費活動の多様性を保障するということをはっきりと目的をもつことであろう。

 それには不毛な競争を生むオーバーストアを規制することと高齢者等の買物の利便性を保障することだろう。具体的には市民1人当たりの小売店舗面積・売上をつぶさに見てオーバーストアを監視し、大型店舗の立地規制と立地誘導をしなければならない。当然その過程をオープンにすることの条件付きだが。

 昔は商店街の活性化ばやりだったけれどパパママショップの衰退に歯止めがかからなかった。賢くなった消費者について行けなくなり、最後は地主になって生き残るというパパママショップの内部事情も当然あるが、大店法改正で原則自由に出店できるようになって商店街はとどめを刺されたところも多い。そして何が起きたか。まちづくりのパワーを担う主体が急速に衰退していった。

 それにしても道内諸市の都市計画当局は、商業地域を広くし過ぎた。幾分後知恵だけど。それは何故かというと将来の期待値で地代が上がりすぎて結局個人商店が店を閉めて郊外に出て行ったし、残ったところは小売商売に全く興味がわかない単なるごうつく地主になりはててしまった。それでやる気のある商店主を集めてスケールメリットを生み出す良質の再開発・商店街の近代化が20年は遅れたと僕は読んでいる。

 余談だけど地代は下がり続けているのに、固定資産税はそれほど下がっていないのはなぜかしら。

参考:
BNN記事・前社長・今井春雄が明かす丸井今井再建計画の問題点


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