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2005.03.20

郵政三事業の民営化について

日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本政府への米国政府の年次改革要望書

 アメリカの言うとおり進んでいる(進めようとしている)というのはうがちすぎかな。

民間競争者、民間企業を外資に替えて読むことをおすすめします。


2002年年次改革要望書より引用


V. 郵便金融機関


 米国政府は、郵便金融機関(郵便貯金「郵貯」と簡易保険「簡保」)が、日本の金融市場が効率的に機能することに対し影響を与えていることについて、日本経団連などの組織が懸念を表明していることに共感している。2003年の郵政公社の発足と郵政三事業(郵便、郵便貯金、簡易保険)の運営ガイドラインを設定する施行令・規則の立案は、 日本政府がこれら機関にかかわる透明性と競争という重要な課題に対処するための具体的措置を取る貴重な機会となる。


V-A. 透明性 郵政事業の郵政事業庁から郵政公社への移行過程と、その民間部門への影響は依然として不透明である。米国政府は、こうした事態を改善するため総務省に対し、民間ビジネスに影響を及ぼす可能性がある郵政公社への移行に関するすべての側面について、一般(外国保険会社も含む)への情報提供を十分に行い、また一般からの意見を求めることを要請する。これには、保険業界や他の利害関係者(国内および国外)に対し、以下の事項について、情報を提供し、コメントの機会を与え、また総務省関係者と意見交換できる意味ある機会を提供することも含まれる。


V-A-1. 国会提出前の総務省の計画や法案


V-A-2. 実施段階前のガイドライン案等の規制措置(パブリック・コメント手続きを最大限活用する)


V-B. 拡大抑制 2003年の郵政公社の発足と郵政事業の移行に当たり、米国政府は日本に対し、郵便金融機関(簡保と郵貯)による新たな保険商品の引き受けや、新たな元本無保証の投資信託の提供を禁止するよう提言する。


V-C. 同一基準 2003年の郵政公社の発足と郵政事業の移行に当たり、米国政府は日本に対し、郵便金融機関と民間競争者との間に公正な競争条件を確保するため、郵便金融機関への法律、課税レベル、セーフティーネット構築のためのコスト負担義務および規制の適用に当たっては、民間業者と同一の基準を適用するよう提言する。


V-D. 民営化 米国政府は、小泉首相が、郵便事業機関(金融サービス業も含む)民営化の可能性を探るために設置された私的懇談会から提言を受け取ったことに注目している。現行制度のいかなる変更も、保険業界という幅広い市場の競争や効率的なあり方に大きな影響を与える可能性があるため、民営化に関するあらゆる決定が開かれた、透明性の高い形で行われ、実施されることが重要である。これには、上記V-Aで提言された措置が含まれる。


2003年年次改革要望書より引用

V. 郵便金融機関


 郵便金融機関(郵便貯金「郵貯」および簡易保険「簡保」)が日本の金融市場の効率的な運営に与える影響について、日本経団連やその他の機関が表明している懸念を、米国政府は引き続き共有する。


V-A. 透明性 簡保商品および日本郵政公社による元本無保証型の「郵貯」投資商品の開発および販売にかかわる法律の改正案の策定につき、米国政府は、総務省が、関連分野における民間活動に影響を及ぼしうるあらゆる面について、一般市民(外国保険会社も含む)への十分な情報提供および意見の収集を行う手段を講じることを求める。それは、保険業界や他の民間関係機関(国内外を含む)が以下の事項に関し、意見を述べ、また総務省の職員と意見交換する有意義な機会を提供することを含む。


V-A-1. 国会提出前の総務省の計画や法案


V-A-2. パブリックコメント手続きの最大限の活用と実施を伴う、実施段階前のガイドライン案やその他の規制措置


V-B. 同一基準 米国は日本に対し、郵便金融機関と民間の競合会社間の公正な競争確保のため、郵便金融機関に民間と同一の法律、税金、セーフティーネットのコスト負担、責任準備金条件、基準および規制監視を適用することを提言する。


V-C. 拡大抑制 米国は日本に対し、郵便金融機関(簡保と郵貯)は、民間が提供できるいかなる新規の保険商品の引き受け、あるいは新規の元本無保証の投資商品を提供することを、上記にあるように公正な競争が確保されるまでは、禁ずることを求める。そのために、米国は日本政府に対し、新規の商品に関し、1994年の日米保険協定に規定されている新規商品の検討および認可手続きに関する日本の約束を再確認するよう求める。


V-D. 民営化 米国政府は、2007年4月の郵政民営化を目標に、小泉首相が竹中経済財政・金融担当大臣に簡保、郵貯を含む郵政3事業の民営化プランを、2004年秋までに作成するよう指示したことを特筆する。現行制度のいかなる変更も日本の広範な保険市場における競争およびその効果的な運営に重要な影響を与えるため、民営化に関するすべての意思決定および実施についてはオープンで透明性のある方法で行われることが重要である。これには、上記のV−Aに述べられているものと同様の措置が含まれる。


2004年年次改革要望書より引用

II. 日本郵政公社の民営化


 日本郵政公社の民営化が日本経済へ最大限の経済的利益をもたらすためには、意欲的にかつ市場原理に基づいて行なわれなければならない。真に市場原理に基づいたアプローチというものは、様々な措置の中でも特に、日本郵政公社に付与されている民間競合社と比べた優遇面の全面的な撤廃を通して日本の保険、銀行、宅配便市場において歪められていない競争を確保することを含まなければならない。これらの優遇面は、米国系企業および日本企業の双方にとって同様に、長年の懸念となっている。経済財政諮問会議は、9月10日に発表した「郵政民営化の基本方針」において、「イコールフッティング」の確立および日本郵政公社と民間企業との間の「競争条件」の均等化の重要性を確認することにより、重要な一歩を踏み出した。経済財政諮問会議の報告書ではさらに、2007年の民営化開始当初から(民間企業と)同様に納税義務およびセーフティネットへの加入義務を負うことや、郵便保険および郵便貯金商品について政府保証を廃止するとの明確な措置を確認した。米国政府は、これらの具体的な提言を歓迎し、それが日本郵政公社の民営化のための法律に反映されるよう求める。


II-A. 郵便保険と郵便貯金 日本郵政公社の民営化が、経済財政諮問会議の求める民間企業との間の「イコールフッティング」を完全に達成し、また日本の保険および銀行分野に公正な競争をもたらすために、米国政府は日本政府に以下の方策を取るよう求める。


II-A-1. 民間企業と完全に同一の競争条件を整備する。それには次のものを含む。


II-A-1-a. 郵便保険と郵便貯金事業に、民間企業と同様の法律、規制、納税条件、責任準備金条件、基準、および規制監督を適用すること。


II-A-1-b. 特に郵便保険と郵便貯金事業の政府保有株式の完全売却が完了するまでの間、新規の郵便保険と郵便貯金商品に暗黙の政府保証があるかのような認識が国民に生じないよう、十分な方策を取る。


II-A-1-c. 新規の郵便保険、郵便貯金および他の関連業務との間の取引がアームスレングスであることを保証するため、完全な会計の透明性を含む適切な措置を実施する。また、日本郵政公社の金融事業と非金融事業の間の相互補助の可能性を排除する。そして


II-A-1-d. 新規の郵便保険と郵便貯金が、その市場支配力を行使して競争を歪曲することが無いよう保証するため、独占禁止法の厳格な施行を含む適切な措置を実施する。


II-A-2. 新しい貸付業務や郵便保険事業による新規または変更された保険商品の導入、または郵便貯金事業における元金無保証型投資商品の元売りを、(上記で提案したとおり)真に同一の競争条件が整備されるまでは一時停止する。また、同一の競争条件の実現後には、このような商品やサービスがバランス良く導入されることを保証する。


II-A-3. 日本政府が、民間で元受けをする元金無保証型投資商品を日本郵政公社で取り扱うことを許可する計画を進めるにあたり、それらの商品の選択が公平で透明性のある形で行われるよう保証する。


II-A-4. 日本郵政公社において販売される民間企業元受けの保険商品の選択が、公平で透明性がある形で行われるよう保証する。


II-A-5. 日本郵政公社の民営化の過程で、郵便保険および郵便貯金事業に新たな優遇が与えられないよう保証する。


II-A-6. 郵便保険と郵便貯金事業の民間企業に対する競争の状況を定期的に調査するための独立した委員会を設置し、民営化の過程において一貫して、同一の競争条件の継続を保証することを目指す。


II-B. 宅配便サービス 日本郵政公社と宅配便業者間の公正な競争を促進するため、米国政府は日本国政府に対して、下記の方策を取ることを要望する。


II-B-1. 独立した規制機関 郵便業務に関する規制当局は日本郵政公社から完全に切り離されかつ独立した機関であることを確実にし、日本郵政公社あるいは公社の管轄下にあるどのような組織であれ、非競争的な方法で事業を展開しないことを確保するための十分な権限を持てるようにする。


II-B-2. 非差別的な処遇 税金や他の料金免除など競争条件を変更するような特別な便益や、物品の運送に関して政府機関による特別な取り扱いや、関税業務にかかるコストの免除などが、政府政策により競争サービスのあるひとつの提供者のみに与えられないことを必要に応じて確実にする。


II-B-3. 相互補助 競争サービス条件下で、全国一律サービスの提供から得られた収益を用い非競争的な相互補助が行われることの防止監督をする。ひとつの監督方法は、日本郵政公社および全ての関連会社の会計が分離、独立でありかつ完全に透明性のあるものとすることであろう。


II-C. 透明性 米国政府は、日本郵政公社の民営化の過程において、下記の方法により、透明性が継続的に確保されるよう求める。


II-C-1. 日本郵政公社民営化の準備期および移行期において、民間の利害関係者(外資系を含む)の要請に基づき、民間企業に影響が及ぶ可能性のある論点について、総務省、郵政民営化準備室、金融庁を含む関係省庁の職員と意見交換をする有意義な機会が提供されるようにする。


II-C-2. 日本政府が開催する委員会やそれら委員会の構成要素の中で、日本郵政公社民営化の準備期および移行期において民間企業に影響が及ぶ可能性のある論点について、民間の利害関係者(外資系を含む)が積極的にその議論に貢献する有意義な機会が提供されるようにする。


II-C-3. 民営化に関する施行規則および省令等の準備も含めて、パブリックコメント手続きが十分に利用され、また最終判断を行なうにあたり、そのコメントが考慮されるようにする。

 正式文書は、英文だけど(つまり外務省かどこかが訳した非公式文書)、恐ろしく端的である。つまり米国政府は自国企業の利益に忠実かつ正直だ。
ついでに同じく同盟国である韓国のソウルにある米国大使館は、少なくとも表面上そこまで露骨に内政干渉まがいの政策文書は発表してはいない。
 なぜそこまで日本の内政にかかずり合うのか。もちろん一時ではないにしろ、魅力的な市場として米国には日本が映るに違いない。
 文中に出てくるが規制改革そのものは、日本経済連と利害が一致するところも多そうだ。誤解を恐れずに言えば、米国の威を借りて大企業は日本を解体しようとしているという構図か。
 そのとき現れたのは、トリックスターのホリエモンだ。さすがに財界はホリエモンの登場に表面上はあわてた。しかし、商法・証券法が改正され、本格的なM&A時代に入ろうとしているのをだれが本気で喜ぶのか。
 その行方は私には能力不足でわからないが、少なくとも鎖国時代を彷彿とさせる内輪もめだけはさけなければならない。おまけに言えば、アメリカは金融自由化が「成功」したかも知れないけど、日本の金融システムに適合しているか、の検証をまじめに行ってアメリカじゃなく日本の国民に問うべきじゃないのか。

追記:国会提出前の総務省の計画や法案について、あえて訳していないみたいだけど、国会提出前にアメリカに見せているってこと?それはまずいんじゃないですかね。

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