« なんか引っかかる地域再生法案 | トップページ | 山わさびはなんて旨いんだろう! »

2005.02.05

巨匠Phillip Johnson追悼!?

20世紀のモダニズム建築家がまた一人逝った。2005年1月25日永眠。

 Momaのキュレータだった彼が建築家になろうとしたのは、37才の時。
 時は、1930年、Momaが、「こんなもん、アートにあらず」と、本来見向きもされなかった工業デザイン物を収集物に加えよう、批評しようとしていた頃だと思う。古建築ではなくコンテンポラリィな建築もその批評対象に入った。功労者の一人がフィリップ・ジョンソンだ。

 そして、当時は先端のテクノロジーの結晶だけれども、まだ、芸術作品とは見なされていないモダニズムをどういうランゲージで語るか、建築をどういう文脈で語るか、侃々諤々(けんけんがくがく)としていたのは、想像に難くない。当時はアメリカをヨーロッパ・コンプレックスが覆っていたし、まだアメリカは例えばドイツに比べれば、力で勝ったけれども歴史の深みでは二流だった。

 そこへきて、スイスのル・コルビジェやドイツのミース・ファン・デル・ローエが打ち立てたモダニズムは、まさに工業国アメリカにぴったりとはまった。彼らにとっても保守的なヨーロッパを離れ、アメリカの大地にどんな「絵」を描こうかワクワクだったにちがいない。

 ココまでは全くの想像ですのであしからず。

 NYとLAのプラダの設計で有名なレム・コールハースの「錯乱のニューヨーク」の「用心シロ! ダリとル・コルビジェがニューヨークを征服する」の中にこんな一節がある。

 

ル・コルビジェの貪欲な野望とは、機械文明の要求に応えその潜在的な美しさにふさわしい「新しき都市」を発明し建設することなのである。

 
彼にとって悲劇であり不運でもあったのは、彼がそんな野望を膨らませつつあったときにすでにそういう都市が存在していたことである。その都市とはもちろんマンハッタンである。

ル・コルビジェの採るべき戦術ははっきりしている。自分が考える都市を披露する前に、それがまだ存在していないことを証明する必要がある。彼はニューヨークなるものの信憑性を打ち砕き、そのきらびやかなモダニズムの火花を殺してしまわねばならない。

 ル・コルビジェをしてもなお、当時のマンハッタンは驚きの連続だったということらしい。そう、マンハッタンとは勝手にモダニズムをやってしまったのです。

 フィリップ・ジョンソンは、アメリカ人として初めてのモダニズム第二世代の一人として、デビューした。ベルリンに暮らしてヒトラーの行進に参加するなど。ヨーロッパに発祥したモダニズムをアメリカ語に翻訳する人として、これほどふさわしい人がいるとは思えない。そしてその翻訳は、言葉でなく「映像」だったというなんというアメリカらしさ。今想えば、あくまで「政治性」を排除したかったんだろうね。

 フィリップ・ジョンソンの設計したモノは超有名で、ル・コルビジェ、ミースの「唱えた」意味のきらびやかなモダニズムの伝承者となった。しかしその実、モダニズムと古典的な手法(その実テクノロジが満載)とごちゃ混ぜになっていく。
 それでもアメリカの建築界は「政治性」を破棄したこともあってか、資本主義にのっかちゃって華々しい時代を謳歌して、ヨーロッパを凌駕するようになっていく。パリなんかで建築学が一つの「教養」の一つになっているのと対照的だ。知らないけど。

 その意味で、フィリップ・ジョンソンは、まさに20世紀のアメリカの建築家だったんだなー、と。

 うーん。もともと建築を芸術用語で語るのが大嫌いな(というかできない)私だ。これで勘弁してネ。

追記:2001年の6月にNYに言ったとき、ミース・ファン・デル・ローエの同時多発展覧会やってたことを思い出した。MomaでMies in BerlinとWhitneyでMies in NYをやっていたっけ。私はハーレムに行く途中、雨宿りで寄ったWhitneyでたまたまミースを見たのだ。そんなに良くなかった印象があるけどね。

|

« なんか引っかかる地域再生法案 | トップページ | 山わさびはなんて旨いんだろう! »

コメント

オークションなどでも良く見かけるコルビジェソファーですが・・・。
通販で買うならここがお勧めです。

http://smple-style.com/sofa/index.html

人気イタリアデザイナーのコルビジェソファー。選び方、設置方法、ソファーの歴史などコルビジェソファーの情報満載です。ここまで
詳しくソファーについて情報のあるサイトはおすすめです。
LC2ル・コルビジェソファーが激安通販なんて欲しくなりますよね。

投稿: コルビジェ ソファー娘。 | 2005.04.26 15:05

>ヨーロッパに発祥したモダニズムをアメリカ語に翻訳する人として、これほどふさわしい人

■なるほど。
もしかしたら、世界中の全てを飲み込みたい「食いしん坊」国家=アメリカ(もちろん、ニューヨークがその代表)が、建築を飲み込もうとした「刺客」として作られたロボットが、フィリップ・ジョンソンだったのかも・しれないね。

■建築の門外漢からのリクエストにプロの立場で答えてくれてありがとー。

>もともと建築を芸術用語で語るのが大嫌いな(というかできない)私

■ところで、札幌の「ギャラリーどらーる」の本社は建築業です。
これも、「コンプレックス」の表出?
今日、見てきたけれど、今月の「ギャラリーどらーる」は過去に無く、25~28歳の女性画家3人展です。凄い。ベテランもやる気を失う凄さがあります。見ておくべきですね。

投稿: 久保AB-ST元宏 | 2005.02.06 22:12

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/19542/2816912

この記事へのトラックバック一覧です: 巨匠Phillip Johnson追悼!?:

« なんか引っかかる地域再生法案 | トップページ | 山わさびはなんて旨いんだろう! »