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2004.05.15

山形さんの責任論。

自由には必ず責任伴う/朝日新聞

同い年で誕生日も近い(笑)、聡明かつ果敢な、そしてファンである山形浩生の責任論だ。まず、理屈としてはだいたい正しいと思うし、「戦略」のある議論を啓蒙するお言葉だ。
が、これを単に人質3名への批判として受け取ってはいけないのだろう。人質を擁護しようとした主張のふがいなさ、あるいは、ものの見方に対する批判なのだ。

確かにうかつなところはあった。彼らがイラクに向けて出国する頃に比べ、実際にイラクに着いた頃のファルージャの情勢が大幅にきな臭くなった、ということを考慮に入れても、だ。

しかし、考えてみると、イラク開戦後の貴重な爆撃の様子を伝えたジャーナリストだって、滞在先のジャーナリストが大勢泊まるホテルで、しかも、同盟国たる米軍の誤射によって「死」の一歩手前を経験した。その危険を承知して防御していたかどうか。ついでにその時の迫真のビデオはいくらで売られたのか。

人質の家族を責めたところで、あるいは自己責任の定義をしたところで、問題の解決になるわけもなく、そして世論がどんな風に揺れたって、助けないわけには行かなかった。政府は手の少ない中でも、努力をし、なんとか、3人は無事帰国した。もちろん、金もかかった。

さて、すでに起きてしまったことについて、責任論を適用する場合、人質および家族はどんな行動・発言をするべきだったのか?
あるいは擁護・反擁護の主張すべきことは何であったのか?

「危険を承知でのこのこと行って捕まったのだから、助けるな」:というわけにはいかないはず。
「危険を承知でのこのこと行って捕まったのだから、救出費用をまず出させよう。」:お金があつまらなかったら生きて帰れないの?
「危険を承知でのこのこと行って捕まってしまったのだから、政府に『助けなくてもいいです』と言えばよかった」:それは無理だ。犯人が許すわけがないしょ。
「あれは自作自演の可能性が大きいから、殺されるわけでないので、放っておけばいい」:違ったらどうするの?

・・・僕には、わからない。

ただ、人質に捕まって手足も縛られ、外出もできず、まさに「自由」がなくなったのだから、「責任」の行使のしようがなかったのは、間違いない。

そして、政府は人質救出後、法制化はしなかったものの、強く、「イラクへは絶対に行かないで欲しい」と言った。大手マスコミも、その要請の後、ずいぶんとジャーナリストを引き戻したはずだ。もう、誰も怖くて(いや、イラクもだけど日本の世論が・・・)行けないさ。きっと。
外務省も安全対策情報については、お手上げだ。

つまり、結論は、一つ。外務省が行くなという以上、個人の自己責任上、NGOだろうがジャーナリストだろうが、行ってはいけないということなのだ。

そうすると、これまでの私も含めた意見は、ほとんど、「後の祭り」に属することだったのである。
が、行っては行けないところのニュース映像が高く売れるのは確かだ。
今、この時、外務省が行くなというところに行っているNGO・ジャーナリストがいるかどうかは、わからない。ただ、何か起きたときて生きて帰ってきた日にゃ「大変」だ。

もう一つわからないことが、ある。自由には責任がつきものだが、じゃあ責任の大きさってあるのかどうか。
権力にも責任がつきまとうと思うが、権力と責任の比はどれぐらいが妥当なのか。

個人は個人の命と財産の範囲内、あるいは最大限一族郎党の財産の範囲内でしか、責任を「形や大きさ」にすることができない。もし、今回の救出費用20億円を請求されても、たぶん、払えないだろう。これは、いたしかたないとしか言いようがない。

これが、年金未納事件になると、もっとわからない。やめるべきか、やめざるべきか、はたまたとどまって「改革に全力を傾ける」のか、どれがそれぞれの責任の「形や大きさ」なのか。だいたいが、税金をむだづかいしてるわけではなさそうなので「金」に換算することもできない。
結局、これまでの様子を見るに、「世間」の顔色をどう感じるかで人それぞれ、としか言いようがない。そういう意味では、人質の家族は「世間」を見誤ったのかも知れないし、47氏は、「警察」を見誤った。

人それぞれを「価値観」という言葉で表現するが、価値観が多様化する現代では、自己責任も多様化するのかどうか。
人質事件では、「責任の形と大きさ」について詰まった議論がなかったので、子どもにもわかるように説明するのが難しそうでは、ある。
年金未納問題は、おそらく、誰も説明できない。47氏になると、だいたい著作権・P2Pから説明しないと行けない。(笑)

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2004.05.14

MoMA+iPod

アップル - 「MoMA展」に導入されたiPod
凄くかっこいいけど、つるつるしてるから客が落としたりしないか、心配だなぁ。

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未納爆弾飛び交う。

国民年金未納 道選出国会議員、半数が未納−−自民30%、民主60% /毎日新聞
 笑うしかないわけだが、未納爆弾がここまで飛び交うとは・・・。
 議員・閣僚・知事の未納率なんてのは、国民年金の未納率に何の影響もおよぼさないし、本人たちも大して困らないのだろう。大して困らないし、1年や2年ならともかく、22年も払っていなければ、もうこれは払う気がない本来的な意味での「確信犯」と見なして良い。ケアレスミスだという人もいるのだから、マスコミも未納の数ばかり数えてないで、その辺は分けて伝えるべきである。

 加えて、来る参院選に影響は避けられない、なんて例によって何も言っていないに等しいコメントをちらほらみるが、政権与党に民主・社民・共産とくれば、影響があったのかないのか、誰も検証なんかできるわけがない。あるとすれば、投票率が下がる位だろう。

 さて、年金改革自体は、小泉政権の専売特許ではないが、目的は破綻の回避方法の検討である。それで、野党が自分が払っていない年金を改革したい意図がどこにあったのか。
 「えー、与党案だったら毎年率が上がるって!許せん!」という、サラリーマンや主婦のルサンチマンをあおって、「皆で支えよう」という決まり文句で、感心を誘うための党利党略だったことは民主が3党合意に反対した小沢をかつごうとしていることで明らかだ。

 そればかりか、未納率も改善させず、たった2年の支払い期限を、あろうことか20年に亘って放置するばかりか、倒産見え見えのリゾートに突っ込んでどぶに捨てた社保庁・事業団等をつるし上げる絶好のチャンスを失った。結局のところ、また野党は小泉の手のひらで踊ってしまったわけだ。

 乏しい国民年金・厚生年金ではまともな生活ができないことはみんな知っていて、手を打つかあきらめているのだ。手取りが増えるような案もつくれないのに、改革などと国民をバカにするな。

 ま、そんなわけで、目下の関心事は自民党が公表するかどうかだろう、公表しないのは、福田の辞任が吹っ飛ぶほどの爆弾を抱えているからに他ならない。

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2004.05.12

えらい!

人質事件の経費560万円 道、家族に負担求めず/北海道新聞
えらい!
タダでさえ財政は火の車、再建団体にならないよう、必死にがんばっている道庁だ。
はるみさん、懐が深い。よくぞ決断してくれた。
しかし、経費を公表するのは、いいことだ。やはり事件解決にはとても多くの人の労働があることが
よくわかる。中央のどこかのバカが、費用負担を求めろなどとほざいていたが、年金払って出直せや、といいたい。

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自衛隊イラク派兵差止北海道訴訟

自衛隊イラク派兵差止北海道訴訟
元防衛政務次官・郵政大臣の箕輪登さんが「自衛隊イラク派兵差止北海道訴訟」を起こしてずいぶんと経つ。
国際法における位置づけがしっかりと書いてあったのでその一部を引用する。
「米英等によるイラク占領政策は、国連安保理決議第1483号及び同第1511号を根拠として、総合司令部の下にあるCPAによって遂行されている。
 自衛隊は、占領政策の一環として、法的には占領軍の一員として、CPAの完全な指揮下に行動する。
 自衛隊には、占領軍の特権を規定したCPA命令17号が適用され、刑事・民事・行政のいかなる裁判権からも免除されている。従って、イラク市民をテロ勢力と誤認して射殺しても裁判はおろか、一時的な拘束も免れる。
 CPAの基幹は約11万の米軍であり、自衛隊はCPAの同意を取り付けて活動する。CPA占領政策の一端を担う以上、自衛隊の活動場所や活動内容の決定、変更、撤収等を、わが国独自の判断のみで行うことはできない。
 これは、どういうことだろう。スペインはCPAの同意があって撤兵したのだろうか。自衛隊はドンパチやってヤパイ事態になったとき、CPAすなわちアメリカに同意を取り付けて撤退できるのだろうか。CPAはイラク特措法を理解してくれてるんだろうか!?
イラク暫定行政当局のホームページ

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■都市の経済学/ジェイコブス(その1)

 「アメリカ大都市の死と生」ばかりがとりあげられるジェーン・ジェイコブスだが、これも名著だと思う。しかし現在のところ絶版。
 TBSブリタニカから中村達也・谷口文子訳によって1986年、バブル前夜に書かれた本だ。
 僕は本を読むときに、参考文献を見るくせがあり、尊敬するジェイコブス女史のこの本が引用・参照されているのに気づき、探したのだが、大学(北大・・・・とほほ)図書館ですらみつからず、「復刊どっとこむ」にアップするもらちがあかず、「日本の古本や」で定価以上のお金でやっと手に入れた。
 読みこなすのに相当の経済学の知識も必要に思われるが、それがなくても、都市の盛衰に興味がある人をうならせるだけの内容だ。それにジェイコブスは冒頭からマクロ経済学自体を徹底的に批判している。
 物価高と高い失業率というスタグフレーションは、マルクスなりケインズなりアダムスミスの理論の延長からは導き出されなかった、ということを指摘し、具体的な例証を上げて、考察と分析に入る。
 ここでのジェイコブスの主張は、一国の経済発展および衰退のダイナミズムは、都市のダイナミズムに起因するのであり、それぞれの都市が互いに創造的、共生的なネットワークをそなえて、都市住民の創意を生かすようなインプロビゼーションが繰り返される場合には、その国は発展し、成長する。それがない場合には遅かれ早かれ衰退するというのだ。
 そんなインプロビゼーションを繰り返し貧困から脱却し、めざましい成長を遂げた「都市」として、東京周辺の都市地域を例示する。
製造業のネットワークが発達し、それまで欧米から極めて厳しい為替条件で手に入れていた工業品をどんどん輸入代替しはじめ、国内に猛烈に供給しはじめたことがその発展の条件だったという。他に、同様の発展をとげた地域、逆にネットワークが乏しく衰退の取引によって没落していった地域も具体的に例示し、主張を裏付けする。
 第13章に日本について、また北海道にとっての極めて示唆に富む記述があるので引用する。
「日本のように繁栄している国でさえ、諸地域間の不平等という問題を抱えている。・・・しかし、日本列島の北部および南部では、事情が異なる。・・・それらの都市は、広範な都市製の輸出品(移出品:筆者注)の代替を得意としていない。輸入代替都市でないために、それらの都市は重要な都市地域を生み出さない。したがってこうした周辺地域は、他地域のためだけでなく地元の生産者と住民のためにも豊かに多様に生産することがない。
(中略)
 輸入代替都市がないことの結果として、仕事を求めている若者の多くが、これらの地域を完全に出て行かなければならないということがある。日本の北部と南部の役人は、地元の仕事を増やすために、他の国と似たような行動をとる。彼らは遠方の都市、主として中央日本の都市からの移植工場の誘致を競い、また最近は外国企業の子会社の誘致も増えている。世界中の他のどことも同じように、移植工場に対する需要は供給を上回っている。
(中略)
 もちろん、その解決方法は、これらの地域においても、輸入代替都市が出現することであろう。しかし、・・・いまではもう、成長を阻まれた地域において輸入代替都市となる可能性のある都市は、中央日本の発展した大都市からきた製品に対する関税またはそれに相当するものを必要とするだろう。それはちょうど、かつては中央日本の都市自体が、当時の高度に発展した欧米諸都市からの輸入品を代替しつづけるために関税を必要としたのと同様である。
 日本の北部および南部の諸地域がそれぞれ個別の通貨をもっていたならば、それによって関税や輸出補助金に相当するものを自動的に得ることができただろう。これらの地域の農業輸出品によって、こうした通貨の価値が極端に歪められるなら実際に関税が必要ともなろう。しかし、個別的な通貨及び関税を賦課する能力は、・・・ともに新しい主権、すなわち単一の統一主権にとって代わる複数主権を意味するだろう。しかし現実には、単一の統一主権が存在するということは、これらの都市が中央日本に比べていつまでも成長が遅れているのがほぼ確実だということである。」
 だいたい、ここまでが、まず疑いのない精緻な分析部分だ。その後、理論上、衰退を避ける方法を述べているが、それはまた後にする。

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2004.05.09

ガラスのピラミッド2

pyramid01.jpg
・・・続き。構造材が煩雑に見えるなー。ルーブルのようなわけにいかないのは、地震国だからですね。
札幌・モエレ沼公園
http://www.sapporo-park.or.jp/moere/

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ガラスのピラミッド1

pyramid02.jpg
2003年5月撮影。SO505iSは色の再現性がとても低いので、どうせなら、とモノクロにした。

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