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2004.04.17

高速道路フリーウェイ論。

この文は、2002年の8月に書いたモノ。例の民営化委員会の議論華やかなりし頃だ。マスコミの議論はもちろんのこと、猪瀬さんも「ムダな道路はつくらない」というところに拘泥せざるをえず、今ひとつダイナミズムのないつまらない話だなーと思って書いた。
10年後の社会の教科書に小泉改革はなんと表現されるか楽しみだが、一つの思考実験として、どんなもんでしょ。
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民営化の議論が重大局面を迎えている。
中間報告としての結論の主眼は「永久に有料とする」とのことだ。
そこには、償還計画の達成のみを最優先させようという、ユーザー不在の論理がある。

所得の再配分の象徴として公共事業があるが、負担に応じた受益が受けられていないというのが都会の住民の不満だ。
受益もないうちに凍結は許せないというのが地方「行政」の不満だ。
地方の住民はというと、恩恵を享受していないから、主体的な意見は持っていない。あるいは、中央経由のメディアの言説に感化され、交通量も望めずムダなので不要という意見もまた多い。

地方行政の要望の趣旨は十年一日のごとくで、「人・モノの移動効率化のための高速道路。地域の発展のために必要不可欠」と言い続けている。
が、それはどこも同じで、各地域は言い方を厳密にしなくてはならないと思う。正しくは「地域でお金を払って利用する経済主体の発展」である。

使わなくても波及効果によって効率化の恩恵を受けるというのは経済学的には正しいが、ユーザーの立場から見れば若干の論理矛盾を含む。
そういった広い恩恵を必要性の根拠にするならば、それは一般道路となにも変わらない。みんなが応分の負担をするべきだからだ。

数字の上で高速道路の方が一般道路より時間便益が高いから、と比較しても全く意味がない。
なぜならば所要時間の算出は速度をもとにしており、計算上の速度は一般道では60kmを決して越えることはなく実態を表していない。北海道では地方の一般道を60kmで走っていたら追い越される。
それに加え、私は所要時間は実は客観的に見えてそうではないと思う。
1時間のもつ意味、生産性は産業によって全くことなるのである。ましてや家計で利用する場合に観光目的などおおよそ時間便益は貨幣換算にそぐわない。
よって、現状の制度を前提とする限り、お金を払う人のみ恩恵を享受するために高速道路が必要という言い方でなければいけない。

さて、当たり前だが、お金を払うにはやはり理由がいる、コスト負担力と言ってもいい。
企業は採算性が全てであり、家計はもっと幅広いが要はお金を払う価値性があるかどうか、である。

その意味で「熊しか走らない高速道路」はユーザーが選択した結果、すなわち、現在のところ、お金を払うほど価値がないサービスなのである。

では本当に必要ないのか、という視点が生まれてくる。
お金を払った場合に見合う価値がないというだけで、無料なら価値があるかも知れない。

その意味で「永久に有料とする」のならば、お金を払った場合に価値がある人しか使わなくていいということを意味する。
そうすると、地方の経営実態では、有料を前提にした経営をしても、まず必ず破綻する。運送会社も荷主もコスト競争に必死だからだ。

民営化では効率化の動機が働くので、料金の低廉化が期待できると言うかもしれない。
それは期待できるだろうか。いや、利用者の多い都会で稼いだ利益で地方の不採算区間の分をまかなう構図は変わらないだろう。

さて、日本が発展するためには、必ずいずれかの分野で世界と競争しなくてはならない。
地方の多くは第一次産業を基幹とするが、戦後、一貫して世界と競争、グローバル経済にもまれてきている。
食料を供給したり、自然を生かした余暇資源を提供するのが地方の大きな役割であるが、この意味で地方は都会と競争しているのではなく、地方と競争しているのである。競争相手は国内の地方にとどまらない。世界の他地方とも競争しているのである。
稲作を中心とする農業地帯は、主食というマーケットで欧米の農業地域と競争している。
食肉を生産する酪農地帯はアメリカ・オーストラリアと競争している。

競争の条件は、品質、労働生産性、物流の効率性である。
高速道路が物流の効率性の基礎的な条件を向上させるのは明白であり、世界の他地域が無料、もしくは日本と比べて極めて低廉なハイウェイをせっせと利用している。
そう考えると、もはや日本では有料を前提とすべきでない。よって国民はインフラストラクチャとして全国の高速道路を買い取り、全ての国民が無料で利用できるようにすべきであると思う。
加えていうならば、ここで首都圏の高速道路は例外。コスト負担力に応じてもっと値上げすべきだ。低廉な料金が渋滞を生み、有料道路利用者の効用を下げているからだ。上がった収益を地方に回さず、あくまで首都圏内で再投資すればよい。高速道路は2階建て3階建てになり、フィフスエレメントのような都市ができあがることだろう。

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2004.04.16

政府に感謝状は贈ったのかな?

上田文雄札幌市長がファックスしたアルジャジーラへの感謝文/BNN 
 当初の3人の人質が無事で、ひとまずは良かった。ほっ。
 ところで、BNNのニュースを読んで思ったのだが、札幌市の上田市長は首相官邸や外務省に感謝状を贈っていないんじゃないか?!・・・・それもそのはず、感謝する理由がないもの。
 多くの日本人は、アルジャジーラの報道を伝書鳩のように伝えるNHKの前に釘付けだった。政府からは結局役に立つ情報は流されなかった。どうやら、解放への貢献面では日本政府はアルジャジーラに負けたようだ。だから、上田市長は外国の一報道機関「だけに」感謝状を贈ったのだ。
 解放以降、日本のメディアは3人と家族の安堵の表情を繰り返し繰り返し報道した。が、今のところ、解放に至る経緯、直前まで政府の取った対策について報道された形跡はないと思われる。
 それどころか首相・外相が人騒がせだと3人を「非難した」ことが比較的早く報道された。おいおい、無事に帰ってきた人質を非難した閣僚はこれまで聞いたことないよぅ。ちょっと歴史的なことじゃない?
 外務省は13回だか退避勧告を出しているというが、外相は安全なニッポンで危険を承知のジャーナリストが送ってきた記事を読み、映像を見ている。
  そんな政府は、国内ではやれNPOだNGOだとお手盛りしているようだが、イラクに行っているNPOやジャーナリストの名簿さえ、実は把握していないのではないかと思う。
 それなら人質への非難など2ちゃんねるのDQNに任せておいて、国際救援活動をするNGOのしかも「日本人」だけに、「お願いだから危ないところに行かないでね」と一筆くらい書くのが「責務」だろう。もしくは、“「非戦闘地域」のサマーワへようこそ”とでも書くか。
 イタリアなど殺された他の有志同盟の国民もありながら、自国民が無事だったことを受けて、「良かった」以外の感想しか吐けず、人質を非難し、なおかつ「自衛隊」の「善意」だけ外向きに述べる外相の「国際感覚」は程度が低い。
 アメリカ、イタリア、デンマーク、韓国、中国など多くの人がファルージャの「盾」にされているし、さらに、2人の日本人が拉致された可能性が報じられている。でも、ここに日本人さえ入っていなければ、こんなバカ騒ぎになるわけがない。
 よく考えてみれば、3人の人質と家族の映像は「我が国にとっての」イラク問題における今までで最高のニュースソースになり、国民に、ともすれば忘れ去りそうだった、「いまそこにある危機」に注目させてくれた。
 人質にからんで、自衛隊を撤退させなかった首相はリッパだった。
 しかし、この先、仮にイラク復興がさらに泥沼化して、参院選を目の前にして自衛隊を「正当な理由」で撤退させなければならなくなった時、世論も「それだけ危ないところなんだから」と、まぁ、おおむね納得するだろう。
 その時は、「助かった」3人の人質に、「内心」感謝するかも知れない。

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2004.04.13

自分に起きたことと他者に起きたことの区別が付かないヤツラ。

心ない中傷、心痛追い打ち 人質家族に電話、ファクス/共同通信
 あーむかつく。なんだというんだ。庶民として腹立たしいことがあったとしても、だ。政府が困っていることを自分が困っていることのように、えらそうに「迷惑」などという輩。
 2ちゃんねる等々で好き勝手なこと(それは自由だ)書き込むやつらの一部なのか、それとも全く別のやつかはわからないが、あえて、憔悴しきっている人質家族の心を匿名で責めて、どうしたいというのだ。おまえが困っているのか、多少やんちゃだった人質になっている人のお陰で、貴様は何が気にくわないのか。いったい何様なのか、名をなのれ。
 多少、自分の家族のことを第一に語る人質家族が情報をつかめない政府の情けないコメント映像より面白いからたくさん放映されたて、少々飽き飽きしたからといっても、それは単にマスコミのネタ不足であって、卑怯なおまえらにとって何が問題なのか。
 一家族、一個人として政府にモノを申さざるをえない、今の日本の世の中の非情を知れ。あーむかつく。テレビ見て、ジャンクフードを喰って一人で文句を言ってるのがお似合いなやつが偉そうに当事者にモノを言うな!
 あー、むかつく。今日は冷静になれん。

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「自己責任」って何。

イラクなど危険地域、「自己責任」を徹底=川口外相/時事通信
 最近もやたらと連発される「自己責任」という言葉。揚げ足を取る気はないものの、衆院本会議の外相答弁だから、放っておけない。
 責任はもともと自己でとるものと思っていたが、はて。
 例えば、日本人が参加する国際支援系のNPO、NGOに向けて、人質が取られるようなことになると国家運営が大変だからとかなんとかいって、活動を自粛するよう要請するとか、具体的な方法を述べるわけにいかないものか。
 というか、そもそも「移動の自由」を保証している以上、在イラクの自国民の安全確保を考えなくてはならんのではないか。

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2004.04.12

ファルージャ掃討作戦の死者は600人超

ファルージャ掃討作戦の死者は600人超=病院関係者/ロイター
 人質のいる場所がファルージャならば、まさに「盾」にされているようなものだ。民主党・菅代表は「テロに屈しない」とかで首相と内向きの会話をしている場合か。まったく。あきれついでに、ちょっと、植草先生・・・。
 話はもどすが、仮に人質の解放について犯人内部・近辺がもめているとしたら、第一の理由は、米軍の掃討作戦との関係性における損得勘定だろう。外国人の人質を取らねば、ファルージャの米軍の圧倒的な軍事力の前に、一般人が犬死にを続けるだけだからだ。
 そして自衛隊撤退を人質解放の第一要件にした犯人側の戦略は、現時点で、一応、失敗している。
 この仮説が正しく、かつ犯人側にまともな計算力があれば、そして、良識ある同民族の説得があれば、人質を殺すことは、ファルージャへの圧力を厳しくする一要因になるため、避けようとするだろう、と期待したいところだ。

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人生40年、私が見聞きした戦争からわかったこと。

 1964年3月30日に生まれた私は当年とって40才。
 ヴェトナム戦争は翌年に米軍の北ヴェトナム爆撃で始まったが、無論、よく覚えてはいない。ヴェトナム戦争は、第二次大戦の3倍に上る1,150万トンの爆薬を浪費し、以後約10年続き、75年に終結。
 PLOは64年4月に結成され、67年第3次中東戦争勃発、イスラエル軍が東エルサレムやらシナイ半島やらを占領。70年に一端停戦するも、73年10月に第4次中東戦争勃発。79年にはソ連軍がアフガニスタンに侵攻。80年にはイラン・イラク戦争が勃発、88年の停戦までつづく。80年代は戦争は少なかったように思う。89年にはマルタ会談でパパブッシュとゴルバチョフが握手して冷戦終結。しかし、90年代に入り、8月イラクがクウェートに侵攻したことをきっかけに湾岸戦争勃発するも比較的早く終結。また東欧ではユーゴスラビア内戦が95年までつづく。
 結局のところ、これらをテレビやら本で見ながら育ってきたわけだが、思うことは、人間はいかにも殺し合いが好きだということだ。当人同士だけでない。直接手をかけずに、紛争や戦争が起きることを望む勢力が確実に存在し続けているということだ。武器の類も、まあよく売れたことでしょう。さて冷戦が崩壊して、平和の世紀になるなんて一瞬思ったのもつかの間の911で「テロの世紀」に突入。
 息子のブッシュが引き起こしたアフガン空爆にイラク戦争。「国」を張って、とか、代理戦争的な色合いが強かった20世紀に比べ混沌としているが、武器は相も変わらずよく売れているというわけだ。

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