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2004.12.14

つわものどもが夢の跡

アナリストに聞く この産業の今〜総合スーパー業界 - nikkeibp.jp - 専門家の眼を読んで、いまさらながら総合スーパーについて考えた。

 まちづくり三法という言葉をご存じだろうか。大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法、改正都市計画法の3つだ。このうち大規模店舗出店法(以下大店立地法)は規制法で、また改正都市計画法の改正の目玉は規制法的色彩が強い。残る一つはまあ事業法というか中心市街地を市町村が規定し所定の手続きを経て集中的に資本を投下しようという経済活性化のために作られた法律だ。

 ところがまちづくり三法とはきいてあきれるっていうかその3本がまったくと言っていいほど機能していない。(法施行は1998年10月)

  • まちづくりへの要望 (平成16年7月26日 日本商工会議所・全国商工会連合会・全国中小企業団体中央会・全国商店街振興組合連合会)

  • 全国の商店街が瀕死の状況は続いており内発的に努力・工夫が足りないという指摘はさておき、「まちづくりへの要望」は問題点がよくまとまっているのでちょっと引用したい。

    (1)「まちづくり3法」の制定にあたり、政府は「WTO・GATS(世界貿易機関・サービス貿易協定)の下では、大店法を廃止せざるを得ないが、3法を一体として活用すれば、大型店の立地調整を含む街づくりに支障はない」と説明した。特に、ゾーニングに関しては、改正都市計画法等を活用して、諸外国でも行われている中心市街地活性化等のための郊外開発の規制等が行われ得ることをコミットしたが、現実には機能していない。

     「3法を一体として活用すれば」というところがミソである。
     地方分権の名の下、都市計画に関わる事務は市町村に大幅に委譲されたが、都市計画の所管と大店法の所管は違うのである。当然調整はなされるが出店を規制したいところに網をかける(規制区域を設定する)というのは、そう簡単にできるわけじゃない。そう、出店したい企業がいるとか出店が相当程度確実かという前提じゃなければ実際上無理なのである。

     しかも他方地域経済は間違いなく疲弊しているのだから総合スーパーが出店して雇用が確保でき、固定資産税が入るとなれば市町村はそっちの方に流されるのが自然である。

     くわえて中心市街地活性化法の指定区域を得た市町村にしても活性化は夢のまた夢だ。まとまった土地がある訳じゃないのに、そうそう出店したい企業があるわけない。たいてい再開発事業はとんとんか自治体か第3セクターがオーナーになって保留床(くわしい説明は省くがこれが売れなければ事業そのものが成立しないのが実情)買って交流センターかなんかつくらざるを得ず赤字を垂れ流している。

     まず間違いないのが大店立地法のうさんくささだ。旧大店法は地元商業者と出店する企業の関係調整に重点を置いており、大店立地法は交通、騒音、廃棄物処理が適正になされていればまず間違いなく出店許可がでる。基本的にノーガードだ。アメリカの貿易赤字対策を発端とする日米構造協議が大詰めになっており1998年は当時の小渕内閣が内需拡大をPRしていたのを覚えている人も多いだろう。

     日米経済摩擦は,1980年代半ば頃から,従来の自動車・半導体などの個別商品をめぐる摩擦問題から,貿易不均衡を生み出す相互の経済構造や制度,慣行等が問題とされるようになった。
    この背景には,(1)1985年プラザ合意以後の急激な円高にもかかわらず,1987年には対米貿易黒字が520億ドルに達したこと,(2)この不均衡の主因は「日本市場の閉鎖性」にあるとする仮説的な認識,(3)1990年年代の国際経済の変動をにらんだ米国の世界戦略などがある。
     1989年7月の日米首脳会談は日米構造協議の開始を決定し,1990年6月の第5回会合の後,7月に最終報告が発表された。
     米国のねらいは,日本の経済構造を変えることによって,米国企業との競争条件を同じにすることにある。合意内容の日本側改善事項は,(1)公共投資の増額(10年間で430兆円)による貯蓄・投資バランスの改善,(2)土地利用促進のための税制等の強化,(3)大規模店舗法の見直し等流通システムの改善,(4)独占禁止法の強化による排他的取引慣行の改善や系列取引の監視,(5)内外価格差の是正措置など,合意実現のためフォローアップ会合が開かれている

     ようするに、アメリカの外圧なのである。つづいて引用したい。

    (2)また、地方分権の進展によって市町村長に権限が集中する一方、都道府県知事には、大型集客施設の立地について広域調整を行う権限がない。このため、どんなに中心市街地活性化に努力しても、隣接市町村に大型集客施設が立地すれば、そうした努力は水泡に帰し、全体の都市計画的観点からは好ましくない結果を招くこととなる。一方、WTOの下で、フランス・イタリアは、GATSを留保し、大型店の出店調整を行っている。日本と同様GATSを批准しているイギリス・ドイツにおいても、都市計画の観点から、大型集客施設の立地調整を行っているが、これらはGATS違反とは見られていない。
    (中略)
    (5)その上に立って、大型集客施設の立地に関する広域調整の仕組みの創設や、タテ割り行政を排した、都市と農村を通じて公共的見地に立ったゾーニングが可能となる計画的な土地利用制度の確立など、現行制度の総合的・抜本的な見直しを行われたい。なお、地域の状況の深刻さに鑑み、この抜本的な見直しは、検討期間を明確に決めて早急にスタートされたい。

     「まちづくりへの要望」はあくまで制度を要望している。だが日経の解説を読むと総合スーパーのビジネスモデル自体が急速に勢いをうしなってくると予測している。札幌圏でも誰が見てもオーバーストアという状況に歯止めがかかる気配はない。しかし大型ショッピングモールや総合スーパー自体は永続的じゃないことに気をつけた方がいい。
    北海道でもダイエーの閉店を聞くと安閑としていられない。

     これは誤解を恐れずにいえばアメリカ型スプロールモデルの終焉(いわゆる大型スーパー中心のまちづくり)ともいえる。
     郊外に駐車場が何エーカーもある巨大なショッピングモールをいくつも作り、ダウンタウンが疲弊し犯罪が相次いだ。かつてアメリカが70〜80年代に犯した失敗を何で日本が21世紀になって同じ撤をふまねばならないのか、理解に苦しむ。

     今アメリカはメインストリートプログラムとか称して中心市街地の活性化をいくつも成功させている。アメリカではやっているのはサスティナブルコミュニティだ。とりわけニューアーバニズムの考え方は職住近接の駅周辺のまちづくりだ。まるで昭和40年代の日本の駅前商店街である。
     やはりキャッチアップ型まちづくりはやめなきゃと思うこの頃である。

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    コメント

    同じく詳しい訳ぢゃないんですが(笑)
    でも早めに行った方がいい国であるのは確かですよ。観光地化、ドル開放、で拝金主義的な雰囲気が少しづつ押し寄せてます。あと10年もしたら、ちょっとがっかりするかもしれません。あと、美味しいタバコが安いです。

    投稿: carnival | 2005.01.14 02:01

    canival さん
     コメントありがとうございます。
     僕はCUBA音楽にそんなに詳しい訳じゃないけどNG・ラバンダはヘビーローテーションです。村上龍のLDも見ました。ああCUBA行きたくなってきた。

    投稿: akiller | 2005.01.13 11:48

    はじめまして。
    最近、郊外について考えることが多く、blogを拝見しました。非常に参考になりました。参考ブログとしてリンクを張らせていただきました。ありがとうございます。
    akillerさんはロック好きみたいですね。私も大好きです。もっと言うと実は昨春にcubaも行きました!cubaやrockで情報を交換できたらいいですね。
    今後もご健筆を期待してます。ではまた。

    投稿: carnival | 2005.01.13 02:06

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