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2004.11.04

04年7月2日

 7月1日にウェブログを更新したまま、早くも4ヵ月。正確に言うと126日。

 ブログを再開しようと思って、なんどもパソコンに向かったが、まだキータッチがおぼつかずしかも文章が出てくるのが遅いので、残念ながら、あきらめた。

 今、また始めよう。あくまで、まずは個人的な記録として。そして、いまだ思ったことの半分しか言えず、もどかしい思いをしている今だからこそ、大切な言葉がかけがえないことを忘れないうちに。

 7月2日、私は函館方面の出張を終え、会社に戻り、残務を片づけて自家用車で帰路についた。

 突然、頭の左がぬれているように感じるが、血が出ているようじゃない。
とたんに、言葉が出づらくなった。私は車をとめ、動きづらい右手で空車のタクシーを止め、家のある行き先の地名を告げると、タクシーの車内でうずくまった。

 30分後、家の前まできたら、もう言葉が出ず、停車位置が告げられない。
さぞ、タクシーの運転手はおどろいたことだろう、だって30分まえまでは、まがりなりにも行き先を伝えられた客が、今は1才児のように「あーうーあーうー」しか、いわないのだから。

運転手:「お客さん、曲がるところ、早めに教えて下さいよ」
私:「うん」(なぜか、「うん」は言えた)
運転手:「こちらですか」
私:「いや」(なぜか、「いや」も言えた)
・・・と、曲がり角ごとに、「うん」「いや」を繰り返し、目的のうちのマンションについた。
運転手:「お客さん、2千○円、ちょうだいします」
私:だまって5千円札を出す。

 その時、私は右手が思い通りに動かないことに、気づいた。
財布とおつりを握りしめたまま、マンションの私の部屋まで、スーツのポケットに入れられず、ずっと手に持ったままだったんだから。
 マンションの鍵を開けられない私は、鍵を開けてもらおうと、どたばたやっていると、妻が血相変えてどーしたの、とたずねる。

妻:「落ち着いて!」「なんでも話してごらん」
私:「あーうーーーー」
私、妻の身体を思い切り押して、玄関の方に追いやる。
妻:「きゃーー」
私:「あーーう」
結局、妻は、Tシャツとジーンズ、サンダルで、私の停めたタクシーに乗る。

運転手:「お客さん。どちらまで」
私:「あーうー」
妻:「どこ行きたいの?!とりあえず、降りましょう。運転手さんにも迷惑よ」
私:「あーーーーううーーーー」(より強い調子で)
運転手:「いやまいったね」
妻:「すいません。」
私:「あーーーうーーー」(わかれよ!ってな感じで)
運転手:「ひょっとして旦那さん。具合悪いのかも。」
私:「んんんん」
妻:「じゃ、とりあえず、もよりの救急病院まで、いってもらえませんか」

 その後、私は安堵感から、うとうとしてしまったようだ。妙ないびきをかいていたようだ。

 偶然、選んだ病院が、今思うと、大きな運命の分かれ目だったのは間違いない。

 いずれにしても、まずいことになった。7月2日のこの時が、先天性脳動静脈奇形による、今も後遺症が続く、長い失語症の日々の始まりだった。

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