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2004.06.18

関西私鉄陣のユーウツ

関西私鉄陣のユーウツ : Yomiuri Weekly : 特集 : @Money : Yomiuri On-Line (読売新聞)
 野球に興味ないわたしにも今回の近鉄・オリックスの合併はちょっとした驚きだった。マスコミでは2リーグ制の廃止とか、新しい球団名とか、大阪ドームの焦りとか、そんな報道ばかりが多く感じられる今日この頃で、野球ファンでなくても、選手も来期の身の振り方考えたりしてモチベーション下がるだろうなとも思う。 

 そんな中6月16日付け日経企業面は、鉄道事業者の球団経営の危機について触れていて興味深かった。アメリカの地域開発にも参考にされたという、小林一三翁の偉大なビジネスモデルがある。
 「宅地開発により沿線住民を増やし、ターミナル駅や沿線に百貨店など商業施設や娯楽施設を開発して、職住近接の街をつくり、鉄道事業の収益を高める。」というやつだ。小林翁は東宝も設立し、鉄道だけでなくエンタテイメントでも日本をリードしたそれはそれは偉大な人物と言われている。
 鉄道を中心としたビジネスモデルは、アメリカ都市計画では、TOD("transit-oriented development" or "transportation oriented development")といわれ、いわゆるNew Urbanismの中の重要なコンセプトとなっている。

 それにしても北海道人からみれば、関西は私鉄が多いなぁ、位の認識しかなかったのだが、近畿日本鉄道というのは凄い会社なんだね。03年度の連結売上高が1兆3千億円、総営業キロ数は600キロで日本一。
 もちろんバファローズはその広告塔で藤井寺球場から大阪ドームに移転した1997年には、過去最高の187万人を動員したが、その直後に5位、そして二年連続最下位となり、動員は低迷していく。

 大阪ドームの立地は詳しくないが、もともとが大阪ガスの土地で、まだタンクが残っているくらいなので、利便性が高いわけはないだろう。ストーンズをうならせたという最高の音響設備をもっていたにもかかわらず、悲しいかな3セク大阪ドーム自体の経営も低迷してしまう。

 素人目には売上や資産の大きさ、最近また黒字に転じたし、40億円程度の赤字は、ドームの赤字に比べりゃ少ないと思うし、チームがもつ知名度とか商品価値、地元を元気にする効果など、目に見えない波及効果は大きいと思う。

 近鉄や西武のような素晴らしい先行モデルがありながら、例えば赤字に苦しむ札幌の地下鉄は根本的に赤字が宿命づけられている。地下鉄を宅地開発の需要喚起にしていこうという、私鉄の黄金ビジネスモデルと逆の発想でつくられている。
 すなわち鉄道と都市開発がリンクしていない、というか、景気の風任せなため、どうしたって計画輸送人員を達成するタイムラグが生じ、累積赤字が拡大してきたわけだ。
 東豊線は、すでに交通局の赤字が大問題になっていたにもかかわらず、バス路線に並行させて人口の少ないタマネギ畑の真ん中に端末駅を作り、火に油を注いだ。 90年代以降は、徐々に集客性のある開発と地下鉄の利用促進をリンクさせる政策をとりはじめ、東豊線福住駅と札幌ドームはいい線行っている。

 しかし、素晴らしい成果を上げてきた関西私鉄の >現在と未来の苦悩をみるにつけ、全く安心してはいられないのだ。我が北海道悲願のフランチャイズチームと札幌ドームだって安閑とはしていられない。順位と動員数は明らかにリンクするし、テレビ放映権料はシビアだ。コンサドーレもかなりやばい。

image001.gif
近鉄バファローズの観客動員数データと順位は「日本プロ野球史探訪倶楽部」さんのものを使わせて頂きました。ありがとうございます。

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» ベキ乗の法則とプロ野球1リーグ制 [HPO:個人的な意見 ココログ版]
これはほんとに思いつき。でも、外部「不」経済が存在するとすれば顕著な例なのであえ [続きを読む]

受信: 2004.06.19 18:17

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