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2004.05.07

大切な川の「ごみ」

ホッチャレが海から森に栄養運ぶ−道立林試調査/北海道新聞
ホッチャレとは、河川に遡上し産卵活動をしたサケの死骸。
確か、「ホッチャル=捨てる」という道産子弁が語源だったと思う。サケの上る川の近くでは、大量のホッチャレは腐って悪臭を放つことから、嫌う人も多かった。
道立林業試験場道南支場の調査でわかったのは、サケのホッチャレからでる養分(窒素系)が河畔林の栄養になっていたこと。
河畔林と川、そして海がサケの運ぶ養分でつながっていることを立証するデータは貴重だ。
サケは、秋に母なる川を上り、自分の生まれた地点にきわめて近いところで産卵する。産卵場所はふ化に必要な暖かい地下水がわき出て、砂利があるところが選ばれる。砂利は卵を保護するために必要なのだ。
生まれた稚魚はしばらくおなかの栄養(いくらのオレンジ部分)で育つが、その後は、河畔の小さな虫やプランクトンを食べて育つ。
そういった小さな虫やプランクトンは、河畔林の落ち葉やホッチャレが微生物で分解された栄養分によって育つと考えられている。
川を下った後は、3,4年かけて数千キロを回遊し、海中のプランクトンなどをたっぷり食べて、脂をのせて戻ってくる。脂はもちろん、体内の卵を育てるための贅肉だ。
川を上るサケは、卵への養分の提供と遡上に力を使うため、脂が少なくておいしくないと言われている。
そんなサケを釣るのはほとんどの場合違法だが、釣り人の目的は「イクラ」なのだ。
サケが上る川には、農業用水の取水のための「堰」が無数に設置され、サケの遡上を阻んでいる。また、河川護岸や河床はコンクリート張りになって良好な産卵場所がどんどん姿を消してきた。河畔林も開発のやっかいものとして伐採されてきた。
古くはアイヌ民族にとっての「神の魚」、貧しい時代は道民の貴重なたんぱく源、そして国を挙げての増養殖が「大成功」した結果、豊漁がつづき、またノルウェーあたりから生でも食べられるサーモン(サケとは違う)が輸入され、今ではずいぶんと値が下がっている。しかし一方道産のサケの魚体もだんだん小さくなっている、という話も聞いたことがある。でも道産のサケには、抗生物質は使われていないのだ。
そんな現在ではあるが、昔のようにサケが上る川を取り戻すことの今日的な意義を考える時が来ていると思う。
千歳サケのふるさと館のホームページ
http://www.city.chitose.hokkaido.jp/tourist/salmon/
標津サーモン科学館のホームページ
http://www.shibetsu-salmon.org/

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サケの遡上を見に行ったアユちとケンイちくんは、その誠実すぎるとも言える彼らの生涯にいたく感動し、しばし、言葉もなくその姿を見ていた。... [続きを読む]

受信: 2004.11.03 13:08

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