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2004.03.12

■いちばん大事なこと−養老教授の環境論

養老先生は、その時々の経済の浮沈に一喜一憂する今の政治をばさりと切り捨て、環境問題こそ最大の政治問題であると言う。
  経済問題はGDPや為替など、ある意味で虚構の数字を基準にしていて、かつ諸国間の利害の落としどころは実のところよくわからないが、環境問題は温室効果ガスの排出量など実体を伴う数字で計測できることにより、特定の国の利害ということでなく人類共通の問題としてテーブルに載せうるという意味に置いてもきわめて重要なテーマであると言う。
  しかし、実際は例えば、特に温暖化による気温上昇なのか、定期的な気候変動による気温上昇なのかを断定することがきわめて難しいなど、まさに「ああすれば、こうなる」式の考え方で解決できるものでもないとも指摘している。
  これで終われば単なる批評だが、西洋的な「全く人を寄せ付けないエリア」「開発に糸目をつけないエリア」に分けていくような環境に対するスタンスを批判し、どんな環境にも人間が介在しており、人のいない環境を区分するような考え方を戒めている。
 ここからが養老哲学。ある日本古来(しかし今は失われた)の人と自然の関係性に着目して、その生き方を勧めている。こういう考え方・語り方がどれだけ世界の先進国家に通じるのか、それはわからないが、まずは自分の国の足元を見つめ直すことも大切なのだ。
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